(後編)20代の挫折から学んだ「自分でハンドルを握る」生き方とは 【NextC.T.L発起人・取締役松井氏にインタビュー】

コンピュータ技研 松井祐介
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プログラム設計やソフトウェア関連のコンサルティングなど、コンピュータ周りの業務を幅広く手掛ける、株式会社コンピュータ技研。次世代を担う若手が、素敵な人生を歩めるようにという思いを込め、若手社員育成プログラム「Next C.T.L」を2018年12月にスタートいたしました。

初の社員インタビューはコンピュータ技研の取締役でありNext C.T.L発起人の松井氏。
インタビュー後編では人生観を変えた方との出会い、コンピュータ技研とNext C.T.Lに懸ける思いについて語っていただきます。

ぜひお読みください。

(前編はこちら)

 

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−広告業界で挫折を経験され、当初はあまり興味のなかったコンピュータ技研にご入社されて。
どうして現在のようにモチベーション高く、お仕事を楽しめるようになったのですか?

入社してしばらく経つと「このままコンピュータ技研にいても、ライターやカメラマンの時みたいに、どっかでおもんないなって思うんやろな。
俺はこんな悶々としたまま人生終わるんかな」と悩むようになりました。

それから少し目線を変えようと、社外のセミナーや勉強会に出てみるようになったんです。
採用や人材育成の役にも立つかなと思って、コーチングのセミナーにも出ていました。
そんなある時、社外でできた知り合いから「『人の話を聞くプロ』を知ってるから、松井くん話聞いてもらってきたら?」と勧められて、会うことになったんです。

その『人の話を聞くプロ』の方に会って、学生時代の話から遡って聞いてもらって、いろいろぐさっとくる言葉をもらいました。
特に胸に響いたのが「今までの人生の節目節目で、結局のところ松井君は自分で自分のこと決めてませんね」という言葉。
「ああ、ほんまや!」と思いましたね。

コンピュータ技研 松井

思い返せば、高校時代からそうだった。ボクシングが好きで、行きたい学校があったんだけど、親に反対されて行かなくて。大学進学の時も、父親から「どうせそんなに良い大学は入れないんだから、どこに入っても一緒や」と言われ、売り言葉に買い言葉で、受験をせず推薦で行ける大学に決めてしまった。

1回目の就職の時もそう。アルバイトしていた小さい広告会社に入る道もあったのに、父親から「そんな小さい会社あかん」と言われて辞めてしまった。
「自分で歩んでるつもりかもしれないけど、松井君が自分でハンドルを握っていない」と言われて、それが心にすっと入ってきて、あの時何かが崩れた。
僕、京都のホテルで大泣きしたんです(笑)

 

-その気づきから、考え方や働き方はどう変わったんですか?

そこからはガラッと変わりましたね。仕事への姿勢も変わった。
せっかく今この会社にいるんだから、自分がこの会社を成長させるんだという気持ちでやろう
何でも面白くしてやろう
と思うようになった。
で、営業もやらせてくれ、あれもやらせてくれ!と自分からどんどん仕事を取りに行くようになったんです。

―本当に、すぐ行動に移されたんですね!「この会社を成長させる」というお言葉がありましたが
具体的にどんな会社にすることが「成長」とお考えですか?

僕は採用をずっとやっているんですが会社の偏差値を仮に50だとした時に、採用している人材に関しては「55」だと思っています。だから、会社の偏差値も55、60としていかないと、入社した子たちの成長はないですよね。うちに入ったからには、その子たちが持っていたポテンシャルをより伸ばせる、最大限に発揮できる会社にすることが必要だし、それが会社の成長と考えています。

事業も新しいことにチャレンジして、若手社員にチャンスを与えたいんです。
失敗する権利も与えたい。そんな会社にしたいです。

―それが、今回のNext C.T.Lに繋がってくると。

まさにそうです。既存事業だけですと、業界的にも頭打ち。社内の責任あるポジションも同様です。
せっかくの優秀な若手達のモチベーションを上げていくために、本当の意味で権限とチャンスを与えていきたいと考えています。新規事業が若手メンバーから生まれて、その責任者になっていく。そんな流れを作りたいんです。

僕、正直若い子の方が優秀やと思ってるんです。
経験がないから、こんなことも知らないのかとか言われることも多いと思うんですけど
経験値以外は今の若い子はとても優秀。彼らに足りないのはチャンスだと思うんです。

コンピュータ技研 松井

−若いメンバーの可能性をとても信じて、チャンスを与えていらっしゃいますよね。
ご自身が若い頃、そんな環境に居たかったというお気持ちもあるのでしょうか。

多少あるかも。
今日も新卒の採用面接で学生から「会社経営で大事にされていることはなんですか」と質問されたんですが「自由が一番大事」と答えました。“自由にしているつもり”ではなくて、自分でハンドルを握る本当の意味での自由です。当然責任も伴いますが。

経営陣がトップダウンで作る新規事業ではなくて、若い子たちの能力・やりたいこと・興味あることから新しい事業を起こして、成功したり失敗したり、あくせくしているような会社が魅力的な会社だと思っています。

―では、これから立ち上げる事業については、既存事業との親和性などはあまり気にされていないんですね。

そうですね、そこは気にしていないです。この素材とこの素材があるから、これを作ろう!みたいな決まったものは嫌で。これがあるね、これも入れたら面白いんちゃうか、みたいな寄せ鍋みたいなものがいい。

−会社の変革に取り組まれる中で、課題に感じられていることなどはありますか?

実はコンピュータ技研の中で、僕だけが、技術者ではないんです。経営層も、社内も事務方以外はみんな技術者としての現場経験があります。
僕が言うことは常に広告寄りと言うか、「こんなことしたら面白いじゃん!」と言う発想なので、なかなか伝わらなかったり、相容れない部分があると感じることはあります。
面白いね、やってみよう!と乗ってくれる人がまだ少ない。

あと、社内の技術力向上を狙って新規事業の提案をすることもあるんですけど
僕が言う「技術力」はちょっと説得力に欠けるかな、とか。
だから、元技術者からそういう声が上がるようになるとすごく嬉しいですね。

コンピュータ技研 松井

―松井さんが採用した若手社員の方も増えているとのことですので
技術者の中からそう言った声が上がる日も近そうですよね!中長期的な目標や展望を教えていただけますか?

現在も新規事業は一つチャレンジしていまして、2019年12月までに形にしていきたいと思っています。
また、NextC.T.Lでも何か新しい事業が上がってきてくれたらいいですね。
コンテストとかあまりこちらから出させるような形ではなくて、社内からやりたいことが自然と上がる。やりたいことをやりたいと言える。そういう風土にしていきたいなと。

コンピュータ技研 松井

−最後に、Next C.T.Lに期待していること、実現していきたいことを教えてください。

もともと、若手社員が要で、もっと彼らを成長させたいと思いから始めた取り組みです。
今の事業内容的に、どうしても社員はお客様から言われた通りのものを作っていく「ものづくり屋さん」の域を出るのが難しいと思うんです。
優秀な技術者にはなれて、言われたものは作れるけど0→1で何かを生み出せる人になれるのかというところをとても心配しています。

0→1で生み出せる人材の育成、その育成ストーリーの記録・蓄積。それをNext C.T.Lのメディアで公開していくことで、さらにまた面白い人材が入ってくるという良いスパイラルが起きると嬉しいです。

1年後には僕が介在しなくても、Next C.T.Lメンバーから「次はこんなことしよう!」という案が出て、自走している。そんなチームになるといいですね!

−貴重なお話をありがとうございました!

コンピュータ技研 松井

現在は最年少取締役として、コンピュータ技研の次の時代を作るミッションに取り組んでいる松井氏。
そんな松井氏にも20代の頃には挫折や苦悩の時期があったことは、とても意外でした。
だからこそ若手に手を差し伸べ、可能性を信じて応援する今の姿があるのかもしれません。
そんな松井氏が率いるNext C.T.Lの今後が楽しみです。

「社員インタビュー」では、Next C.T.Lのメンバー1人1人にスポットライトを当て、個々のバックグランドや会社への思い、将来の夢など様々なテーマについて語っていただく予定です。

ぜひお楽しみに。