【第3回社内セミナー(大阪編)】 今の状態を『具体化』しよう 〜目的の理解〜
プログラム設計やソフトウェア関連のコンサルティングなど、コンピュータ周りの業務を幅広く手掛ける、株式会社コンピュータ技研。
ビジネスを推進できる優秀な人材の育成に力を入れ、『次世代を担う若手が、素敵な人生を歩めるように』をテーマに、一年間のセミナープログラムを実施しています。
今回は第3回社内セミナー(大阪編)です。
第2回のセミナーでは『理想と現状の間にある「問題」を浮き彫りにする方法』をテーマに、基本のビジネスフレームワーク”ASIS/TOBE”の活用方法について学びました。
第3回では、第2回の内容を受けて次のステップへと進みます。
ASIS/TOBEを使って浮き彫りにした問題を、一つ一つ紐解いて具体に落とし、解決への道筋を描く方法を学んでいきます。
講師は前回に引き続き、株式会社mannaka・株式会社onakasuita他複数の会社経営に携わる柴田雄平氏。
ぜひ最後までお読みください。
前回までのセミナーの様子についてはこちら
【第2回社内セミナー(大阪編)】
【第2回社内セミナー(東京編)】
目的を常に意識する習慣を
「Next C.T.L」は何のため?
「Next C.T.L」は何のため?
今回の大阪編参加者はミャンマーからのオンライン参加も含め全7名。
日々の業務も多忙なNext C.T.Lメンバー達。どうしても参加できない回もあるので、セミナーの始まりは前回までの振り返りから始まります。
今回はいつもと少し異なり、講師の柴田氏から次のような質問が。
「今日でセミナーは3回目になりますね。そろそろみんなの中で”このセミナーの目的”は言語化できそうですか?」
その回答は、一人ずつ順番に2分という制限時間を設けて回答していくことに。
また、その様子を取締役・松井氏のスマートフォンで撮影することとなりました。
カメラでの撮影と2分という時間の制限を設けることで、「話したいことをより簡潔にまとめないと」という意識が働くこと、数ヶ月後に動画を見て自身の変化・成長を確認できることなどがメリットとして挙げられます。
ここでは次のような言葉での”目的”の表現が集まりました。
- 若手社員が中心となって、会社を変えていくような仕組みを作りたいから
- Next C.T.Lのメディアを通して、読み手にどんな会社か理解してもらうため
- 受託開発にとどまらず、自社のサービスや製品を持つ会社になるため
一人一人表現は違うものの、プロジェクトの要旨に沿っているように感じます。
しかし、柴田氏は「どれも正解なんだけど、一つ大事な観点が抜けている」と指摘します。
「このプロジェクトで、取締役の松井さんがいつも言っていることがあります。
『次世代を担う若手が、素敵な人生を歩めるように』。それがNext C.T.Lプロジェクトの目的。
仕事の話もそうなんだけど、松井さんが目的としていることはもっとその先で
みんなの人生がもっと素敵になってほしい、と思っているんです。
タスクが課されるとこうした大きな目的を見失いがちになります。
今日はこの質問のように『目的』を意識する練習をたくさんしていきますね」
毎月の社員ブログの目的は?
次に話題に上ったのは毎月書いている社員ブログのこと。
ブログの開設当初と比較し、更新頻度が落ちてきていることを懸念した柴田氏より、メンバーの皆さんの現状を教えてほしいと質問がありました。
「今ブログがあまり書けていないという人はどれくらいいますか?要因はなんでしょうか?
タイトル?中身?書き方?ネタ探し?文章構成?時間の確保?」
少し間をあけて、メンバーの一人が意見を出してくれました。
「何日までに、という期限があることや、テーマが決まってしまっていることが書きにくさの原因になっていると感じます。やらされている感がある。
そもそも、誰に向けたメディアなのか?ターゲットも明確にしないといけない。
また、決まったテーマに対して興味が持てない。
業務が忙しい中なので、1ヶ月に1回ではなくもう少し頻度を緩やかにしてほしい」
という意見もありました。
ターゲットについてはこの場で改めて話し合いがなされ
- ターゲットは20代前半の就職活動中、または転職を考えている層
- テーマは自由、自由だと逆に書きにくい人には推奨テーマを毎月提示
という運用に変更されました。
頻度についても今後話し合い、無理なく運用できるように変更していくこととなりました。
みんなの気持ちを代弁してくれたメンバーに感謝しつつ、Next C.T.Lのプロジェクト全体をより有意義なものにするため、こうした小さな改善提案をもっと出しやすい場にしていく必要があると感じた一幕でした。
前回からの宿題「帰社日に全員集まるには?」
社内発表の内容を共有
社内発表の内容を共有
前回のセミナーで学んだ基本のビジネスフレームワーク「ASIS/TOBE」。現状と理想を書き出し、その間にあるギャップ=問題を浮き彫りにする手法です。
このフレームワークを使い慣れてもらうため、第3回のセミナーまでの間に宿題を出していました。
テーマは「帰社日に全員が集まるには?」
「帰社日」とは、基本的にクライアント先に常駐するコンピュータ技研の社員たちが、自社に集まる日を指します。目的は分科会やNext C.T.Lのような研修など様々。
こうした帰社日にメンバーがなかなか揃わないということも、セミナー中に度々会社の問題点として上がっていたことから、今回の宿題テーマとしました。
このテーマを受けて、次のような意見が集まってきました。
- 現場の業務が忙しいと、帰れない
- 現場によってはコンピュータ技研まで遠く、移動が間に合わない
- 帰社する目的・メリットがわからない
- 交通費などの問題
- しばらく参加していないと、行きにくくなってしまう
- 仕事だから当然と思える人と、思えない人がいるのでは
また、解決策として「コンピュータ技研とクライアント企業の間で、帰社日は残業が難しい旨、承認を取っておく」という意見も出ました。
コンピュータ技研が「帰社日」を設けるのはどうしてか?
一通りの意見が出揃うと、参加者の中から自然と「そもそもどうして帰社日が必要なんだろうね?会社はどうして帰社日を作るんだろう」という問いが出てきました。
続いて、「会社が帰社日を設ける理由」を話し合うことに。
- メンバーの様子を見るため(メンタル、やっている業務の把握)
- 社員同士のコミュニケーション
- リラックスできる場
思考を深める、「なぜ」の繰り返し
メンバー達の議論で、帰社日は帰属意識を根付かせるためにあるようだ、というところまでは意見がまとまりましたが、さらに思考を深めるポイントとして、「なぜ」を繰り返すことも重要だと言います。
具体的には以下のような問いを繰り返すこと。
「帰属意識を高めたい」→「なぜ?」→「会社だから」→「会社だと、なぜ帰属意識が必要なのか?」
「なぜ社員達は派遣社員や流行のクラウドワークのような形ではなく、会社に属する必要があるのか? 」
「会社員が安定しているから」→「それは他社でも同じでは?」
今回の「帰社日」の宿題は仮に設定したものではありますが
今後、会社としての一体感を高めなくてはいけない局面では、なるべく社員全員で、上記のように多角的に「なぜコンピュータ技研で働いているのか」を洗い出し、そのために何をすべきかを考えることも有効です。
(コンピュータ技研で働く理由を改めて考えてみることに)
組織一丸となってプロジェクトを進めるポイント
「温度」を保つPDCFAサイクル
このように、プロジェクトを実行する際には必ず「目的」を深掘りし、全員で共通の認識を持つことが重要だと柴田氏は指摘します。その理由は、プロジェクトには「温度」が必要だからだそう。
また、プロジェクトの温度を保つ方法として昨今話題となっているのが「PDCFAサイクル」。
Plan → Do → Check → Feedback → Action の略で、一般に浸透しているPDCAサイクルに「Feedback」を追加したものです。
これはチーム内での相互フィードバックを指します。
進捗状況や数字ばかりをチェックするのではなく、互いに内省を促し、時には良いところを吸収し合うことで、プロジェクトの温度を高く保つことができるようになるといいます。
また、プロジェクトの遂行には”自責型組織”への転換も重要です。
会社やチームで取り組む意義を今一度見直し、いかにビジネスを他責視点から自責視点に変えていけるか、それにより組織はより強くなるといいます。
今回のまとめと、次回に向けて
最後に、次回に向けたスケジュールを確認します。
今後の流れとしては
①解決したい問題とその目的を話し合う(6月)
②問題解決に向けた目標とスケジュールを立てる(7月)
③プロジェクトの実行フェーズへ(8月)
また、セミナーの最後に取締役の松井氏よりメッセージもありました。
「個人の思いを出すのはエゴではないと思っているし、そうした個人の思いや意見を出しやすい組織になってほしい。今日の会を受けて、改めて個々で考えて、具体に落とし込んでいきましょう。
何でやるんだっけ?という目的意識を常に持ってほしいです」
思っていることを素直に言える、風通しの良い組織。
しかし、目的を見失わず、全員が当事者意識を持って物事に取り組める組織。
普段なかなか言い出しにくいことも言葉にできた今回のセミナーは、松井氏が目指す組織像に近づく第一歩となりました。
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このセミナーの後、大阪オフィスではより全員が自己開示をし、活発に議論が行われるようになったそうです。
また、大阪でのセミナーの様子は、東京オフィスへも共有されたそう。
こうした拠点間の交流も活発になっていくと、組織としての力もより強固になっていくのではないでしょうか。
東京編のセミナーレポートもどうぞお楽しみに。