プログラム設計やソフトウェア関連のコンサルティングなど、コンピュータ周りの業務を幅広く手掛ける、株式会社コンピュータ技研。ビジネスを推進できる優秀な人材の育成に力を入れ、『次世代を担う若手が、素敵な人生を歩めるように』をテーマに、一年間のセミナープログラムを実施しています。今回は東京オフィスでの実施となります。
テーマは前回に引き続き「未来の自分の設定をしよう」。
東京オフィスでは入社1〜3年目までの若手社員と、一部有志の30代社員も参加。この日は男性社員のみだったこともあり、男子校のような和やかな雰囲気の中、セミナーが始まりました。
大阪オフィスと東京オフィスでは、参加者の属性や回答などに様々な違いがあったようです。ぜひ前回との違いにも注目してご覧ください!
コンピュータ技研が次世代教育に注力する理由
セミナーの前に、取締役の松井氏より、コンピュータ技研の歴史をお話しいただきました。1983年に創業したコンピュータ技研。2名で立ち上げた創業当初からの紆余曲折を、ユーモアを交えて語っていただき、会場が笑いに包まれます。
松井氏の入社は2004年、当時は27歳でした。前職であった広告業界とは全く異なる世界で、総務・採用から営業・新規事業・人材育成など幅広いミッションを担当されている中、一貫していたのは「何か面白いことをみんなでしたい」そして「面白そうな会社だな」と優秀な若手が自然と増えていくような会社にしたいという思いでした。
松井氏は参加者に語りかけます。
「コンピュータ技研に入れば、優秀なエンジニアになれる。現に君たちは優秀だ。でも、ビジネスマンとしてはどうか?経営者になれる人材だろうか?さらに次の世代はどんな若手が入ってくるだろう?」
真剣な眼差しで松井氏の話に耳を傾ける参加者一同。
松井氏の会社への思いとセミナーの主旨が伝わり、会場に一体感が生まれました。
理想と現実のギャップを知る
講師は第一回でも講演いただいた、柴田雄平氏。
株式会社mannaka・株式会社onakasuita の2社を経営するアイデアマンです。
プロフィール詳細は前回の記事をご覧ください。
本編スタートの前に、まずは柴田氏からの質問です。
「みなさん目を閉じてください。『今の会社を変えたい!』という方?」
「・・・。」
「では質問変えますね!『今の会社に何の不満もないよ!』という方?」
「・・・。」
ここまで、手を挙げるのは1〜2名。
「じゃあ『今の会社は理想の状態ではない』という方?」
3つ目の質問では、参加者のほぼ全員が挙手していました。
目を開けて、今度は「理想ではない」のはどんなところかを話してもらったところ少しずつ皆の本音が出てきます。
「事業の性質上、会社として名乗れる機会が少ない」「今年夏休みが取れなかった」
「給与や評価制度」「社員同士で顔を合わせる機会が少ない気がする」
東京メンバーも、それぞれ思うところがあるようですね。
ちなみに大阪本社で実施した際にも、柴田氏から同様の質問がありました。
その時は「給与が低い」という声がもっとも多く、理想の状態として「働かなくても給与がもらえる会社」と答えた猛者もいたとか。
「東京メンバーは真面目やな!」と取締役の松井氏も驚いた様子でした。
「理想の状態じゃないなら、変えていこう!」と柴田氏は語ります。
未来の自分を設計する第一歩は理想と現実のギャップを知ることから始まる、と。
では、理想と現実のギャップを埋めるためには、どんな発想が必要なのでしょうか。
セミナー本編では「発想を生むコツ」を学んでいきます。
「新しいカレー」を考えよう!
前回大阪支社でも実施されたこのワークショップ。今回は3〜4名のチームに分かれて行われました。
東京の参加者からは一体どんなアイデアが出てくるのでしょうか。
身近な食べ物でありながらも、家庭のカレーや学校給食のカレー、チェーン店のカレー
変わり種のカレー・・・意外と世の中にはいろんな”カレー”がありますよね。
その中で新しいカレーを考えるのは意外と難しいもの。
はじめは「カレー!?」と笑っていた参加者達も、だんだんと頭を抱えて考えはじめます。
配布された模造紙とペンはブレインストーミング用に自由に使用してOK。
使い方にも各チームの個性が出ます。
まずは思いつくままに単語を羅列するチーム
絵にしてみるチーム、各々スペースをとって書いてみるチーム・・・。
最後は各チームに、どんなアイデアが出たかを発表してもらいます。
この日出てきたのは
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- 白いカレー
- カレーのミスト
- カレーのウォシュレット
- カレールーのないカレー(美味しい米)
- 空気や温度で感じるカレー
- ペットボトルカレー・飲むカレー
- グランドキャニオンカレー
- カレー診断装置(中に入ると健康状態を感知して最適なカレーを出してくれる)
など、実に様々なカレーでした。
出てきた案にも、大阪支社との違いがかなり見受けられます。
女性が多かった大阪では、「服にこぼしても染みない」「太らない」など既存のカレーに女性目線で付加価値を持たせた回答が多かったですが、男性の多い東京支社では「空気や温度で感じるカレー」「カレーウォシュレット」「カレーで健康診断」と言ったこれまでにない”新しい体験ができる”ことをポイントとした回答が多かったように思います。カレーのアイデア出しは何を意図したワークショップだったのでしょう。
「概念を固定化」していないか?自分の思考の癖を知ろう
このワークショップの意図は「概念の固定化」でした。
どれだけ「カレー」と言う常識から離れた発想ができたかがポイントです。また発想が生まれる過程には、それぞれの思考の癖があると言います。
一つは”収束型思考”。過去や現在、事実や経験に基づくタイプ。
もう一つは”拡散型思考”。現状にとらわれず、アイデアや未来に向かうタイプです。カレーで例えるなら
前者は「白いカレー」や「ルーのないカレー」のような「カレーは黒や茶色で、ご飯にかかっているものだ」と言う経験・事実から発想するタイプを指します。
一方後者は「空気や温度で感じるカレー」や「カレー診断装置」のような自分の経験に基づかない発想をするタイプです。この収束型と思考型をバランスよく配置することがアイデアの出るチームを作るコツ。
さらに言えば、両方の発想ができる人間が多くいるチームは、より沢山のアイデアを生み出せるのです。
例えば、会社において「給与体系を見直そう」と言うミッションがあった場合
過去の給与体系はどうだったか?これからどうしていこう?といった過去と未来の両軸で考えられる組織は、より多くのアイデアが出てくる、ひいてはより多くの選択肢の中から自社に合った給与体系を選択できることにつながります。この解説に、「なるほど!」と感嘆の声を上げる参加者たち。
「自分は完全に収束型だな」「うちのチーム拡散型しかいないな!」などそれぞれ振り返りもしていました。未来を描く力=いかに多くのアイデアを持てるか
改めて、参加者に「この会社でやりたいこと」と「どうしたら実現できそうか」を尋ねてみました。
- 夏休みをちゃんと取りたい → 夏季休暇の取得期限をなくす
- 手取りを上げたい → 自社パッケージの開発
- 現場を自社の人間だけにしたい → 上流案件を獲得する
- 会社の人たちとちゃんと顔を合わせたい → 帰社日のルールを徹底する
- 年に数回はエンジニア以外の仕事をしたい → 祭りで屋台、アルバイト
セミナー開始当初より、生き生きとした表情で語る参加者たち。
また前半にはなかなか出てこなかった、「どうしたら実現できそうか」についても、より自由な発想で答えられるようになっていました。大阪では「ハワイに支社」「社内カフェ」「シエスタ」など環境を充実させる案が多かったのに対し、東京のメンバーはチームの強化や自社パッケージ開発、上流案件の獲得など割と仕事のやりがいや売上を向上させたいという意向が色濃く出ていたように感じます。
各拠点の個性が出ており、興味深いですね。最後に柴田氏より「考える習慣をつける方法として、日常で頭に浮かんだアイデアをメモしておくといい」という、より具体的なアドバイスも。
ぜひ日常生活や業務の中で実践し、考える習慣をつけてもらいたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
次回のセミナーレポートも、是非ご期待ください。