【後編】第二回るつぼん、開催 ~オーナーシップ制度と1on1について~

「オーナーシップ制度」と「1on1」をテーマの第2回るつぼん。 

前編では1on1の内容について話をし、その中で新たなアイデアが生まれました。 

後編はオーナーシップ制度全体の話をしていきます。 

目次

参加者紹介

※今回の「るつぼん」は人事考課に対する本音を語り合うため、匿名を条件に集まっていただきました。 

【ベテラン社員】

アンソニーさん


マーティンさん


【中堅社員】

ステファニーさん


フランソワさん


【若手社員】

ルークさん


リンリンさん

グレックさん(中途)


1.【オーナーシップ制度に対するそれぞれの思い】

「オーナーシップ制度」についてご意見のある方はいらっしゃいますでしょうか?

以前まで行っていた人事考課に比べて、「オーナーシップ制度」になってからは自分が実現したいことが増えてきていると感じているのでプラスに捉えています。

アンソニーさんは「オーナーシップ制度」を肯定的に受け止めているのですね。

はい。でも最近になってですが。今までは・・・でした。

肯定的に思えるようになったきっかけは何でしょうか? 

肯定的になったというより、日本人の持つ調和の精神というか・・・。良い意味で受け入れられたのだと思います。以前までの人事考課だと会社で決められた基準に則って頑張らないといけませんでした。裏を返せば、「オーナーシップ制度」は自発的に何でもできることによって、やりがいも出てきました。

私が以前に勤めていた会社では給与形態が年功序列になっていて毎年少しずつ給料が上がっていくだけでした。私は営業職でしたが、営業の成績が良くても頑張った分の手当てが出るとかはありませんでした。営業であろうが、総務であろうが、給料はみんな同じでした。

でも、当社の場合は自分のやりたい方向に進み易いですし、こんな貢献をすれば更に投資額が増えるかもしれないという期待を持てたりします。

他社と比較して当社の良さを感じられるのは良いですね。

私も「オーナーシップ制度」を肯定的に捉えています。
そもそもお金のために働きたく無いと思っていますので、それを改めて考えるきっかけになりました。それこそ以前の人事考課では、ただ組織の中の歯車になって仕事してお金をもらうだけという感じだったんですが、「オーナーシップ制度」に変わってからは自分のキャリアを主体的に考えられるようになりました。

また、「オーナーシップ制度」では成果に対してお金をもらうのではなく実現したいことに対する投資という考え方なので、お金が目的ではないと思っています。実現したいことのために、いくら投資してくださいという考え方が凄く腑に落ちるので肯定的に捉えられています。

フランソワさんはいかがでしょうか?

自分が実現したい目標について考え、整理されていく感じは悪くないと思っています。実現したい目標を考える上で、自分の強みや良くないところに気づいたりもします。
私の担当プロジェクトは開発や導入が多いので毎年変化があるのですが、変化の少ないプロジェクトを担当している人は、会社への貢献となったときに何かを生み出すのは大変ではないかと思います。

フランソワさんご自身は、「オーナーシップ制度」を肯定的に捉えていますか?

肯定的かどうかと言われると難しいです。なんとも言えない感じです。良いところもあるし、悪いところもあるかなと思います。

では質問を変えて、「オーナーシップ制度」で「不平等」だと感じることはありますか?
例えばマネージャー側が得をしていると感じていることや面談される側は損をしていることなど、「オーナーシップ制度」に対して不平等を感じることはありますか?

自分は感じていないのですが、「1on1」を体験してみて、マネージャーの差はあるのかなと感じています。話の聞き方、質問の仕方、グレックさんが言っていたように自分のことを知ってくれているのかなど、マネージャーごとに差があるんじゃないかと感じるところはあります。

私も強いて挙げるならそれかと思いました。

それは思いますね。決して、今ご担当いただいているマネージャーを否定しているわけではないです。

もし担当マネージャーを希望制で決めるといった制度があると嬉しいですか?

私は担当マネージャーがローテーションして変わるのが良いのではないかと思います。

賛成です。面談していただくマネージャーが変わることによって気づくこともあるかもしれません。

半期ごとですか?

いや、1年が良いですね。

私も半年は感覚的に短く感じます。最低でも1年、長くて2年ですね。下半期で上半期の反省を活かして軌道修正することがありますよね。
また、色んなマネージャーに見ていただくことで不公平感も軽減されるかもしれません。

いつかマネージャーになりたいと考えている社員がいると思うので、たくさんのマネージャーに「1on1」をしてもらって、それぞれのマネージャーがどのような「1on1」をしているかを体験すれば勉強になるのではないかと思います。

2.【貢献内容の共有について思うこと】

私は「マネージャーばかりずるいな」と思うことがあります。マネージャーは社員の投資額を決める会議で社員全員の貢献内容を知ることになるのですが、マネージャー以外の社員は、他の社員の貢献内容を知る機会がありません。これは公平性に欠けると思いますが、みなさんはどうお考えでしょうか?

確かに、自分と貢献内容が似ている他の社員を知ることができれば、その方とタッグを組んだりできそうですね。

そうですね。「仲間だから一緒に頑張ろう」ってできますね。やる気も上がりそうです。

「この人はこんな貢献内容しています」って全部を公開されるのは気が引けますが、「同じような貢献してるよ」ってマネージャーが繋いでくれるのはアリだと思います。

他の社員の貢献内容を公開してもらえると、「こんなことも貢献内容として書けるんだ」みたいなこと、できそうですね。

ちょっといいでしょうか?
私が思っているだけでマネージャーはそう思ってるか分からないですけど、「横のつながり」というところは「自分で探して欲しい」っていう思いが、もしかしたらマネージャーたちにはあるんじゃないかと思います。「私はこんな取組みを実施している」っていうことを自分たちで発信して欲しいと。「1on1」でマネージャーに「同じ貢献内容の方を教えてください」って質問するのも「あり」だと思います。

そこで交流が始まって貢献活動が活性化していくってことですね。

そうですね。「他の社員と交流してくれよ」っていう思いが、マネージャーにはあるのではないかと思います。

そういえば、私が挫折しかかっている貢献内容について、ステファニーさんからお声がけいただきましたよね。

そうですね。貢献内容をフランソワさんと共有できたのはとても良かったです。

3.【最後に】 

他に「オーナーシップ制度」について、リンリンさんはいかがでしょうか?

「オーナーシップ制度」に不平等を感じる部分はありません。どちらかといえば肯定的にとらえていて、「自分の人生を自分で動かす」ことが「オーナーシップ制度」で実現できると思っています。「オーナーシップ制度」が無ければ「自分はこうやります。こんな貢献します。」って言えなかったと思います。逆に「オーナーシップ制度」が自分の人生を自分で動かすきっかけを与えてくれたので有難いと感じています。

ただ、私はまだその船に乗りこなせていない感が強いです。早く自分でスイスイ漕げるようになれれば良いなと思います。そこが苦しい部分ではありますが。でも、なんとか乗りこなしたいです。

企業理念にこれだけ向き合ってる企業は、なかなか無いんじゃないかって思います。私は企業理念のワーキンググループに入っていませんが、定期的に企業理念と向き合う機会が「1on1」だと思うので、その機会があることは大きいと感じています。

あと、言葉にするのが難しいですが、「企業理念を体に染み込ませる」といったイメージだと、例えば「朝に大声で10ヶ条を読み上げる」などもありますが、まったくそのような感じではありません。会社としてあるべき姿に則っているなと思います。
「私たちはこういうことをやりたいです」っていう理念に賛同して人が集まり組織になり、会社になるのがあるべき姿だと思うので。当社が目指す方向に社員みんなが向き合おうとしてるって凄く良いことだと思います。

そうですね。企業理念を読み上げるより、企業理念を各人が自分の力で噛み砕いていることの方が、よっぽど浸透しやすいと思います。 

あと、「貢献内容対話シート」の「書き方」の話ですが、私は「挑戦」と「貢献」で書き分けています。「初めてやること」や「やってみたいこと」は挑戦として書いています。ある程度、見通しが立っているものは貢献として書いています。

やりたいことを実現できるかどうか分からないけど、やってみたいっていう場合は良いかもしれませんね。

そうですね。「こんなこと書いていいんだろうか?」っていうことを「挑戦」として書いてますね。

「挑戦」。いいことを聞きました。


企業理念ついて気になる方はこちら
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「世界に0をONする会社」

4.【るつぼんを終えて】 

残念ですが、ここで時間が来てしまいました。

みなさま、本日はお集まりいただきありがとうございました。
今回、「1on1」と「オーナーシップ制度」のお話をいただきましたが、こん詰めて話す機会がなかったので新たな視点をたくさんいただけて本当にありがたい会になりました。

またこのテーマを1年後や2年後にやってみるっていうのはいかがでしょうか?
おそらく今と状況は変わっていると思うので、やってみるのもありかなと思いました。

面白いアイディアですね。ぜひ検討したいです。

では、本日は以上とさせていただきます。お集まりいただきありがとうございました。

後半まとめ

第2回「るつぼん」は、当社の「オーナーシップ制度」と「1on1」について、社員のみなさんと議論を行いました。 

るつぼんに参加いただいた社員の多くは貢献内容を生み出すことに苦労しつつも、「オーナーシップ制度」と「1on1」を肯定的に捉え、自分自身と向き合う努力を続けている実態が分かりました。 

議論の途中では、ある参加者の貢献内容の失敗談から新しいアイディアが生まれました。この出来事は、貢献内容で失敗したことを社員間で共有することで、より良いアイディアを生む可能性を示しました。 

議論の最後に出た「自分の人生を自分で動かす」という言葉は、まさに「オーナーシップ制度」を映し出した鏡であると感じました。 

この記事をお読みいただきましたみなさまにも、何かを感じ取っていただけたなら幸いです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。