■はじめに
こんにちは。 忘れないで、ギター侍です。
新型コロナウイルス感染拡大によりテレワークをはじめとした働き方改革が余儀なくスタートし、日々模索しながら仕事をいかに進めるかがもう1年以上議論されていることと思います。
さて、今回はそんな中でも、新型コロナウイルスのことはどちらかというと隅に置いておきまして。
IT技術はもとより、仕事のやり方の大きな変化が起きている昨今、「今後どういう未来が我々を待っているのか」「こんなことが起きてくるのではないだろうか」といった空想?妄想?(笑)なんかも交えつつ、オンラインでNextC.T.Lメンバーが意見を交わしてみました。
そこで出てきたことと、それを受けて私が思うことを思うままに書いてみました!
【最新技術等で世の中が変わりつつあり、エンジニアは今後どうなっていくの?】
エンジニア視点で、専門性というか作りきる力がエンジニアとしての価値となってそれをすごく求められる時代になるんじゃないかな。
AIとかAWSとか、特定の担当範囲なら任せて!くらいの専門性が求められる。 そういう高いスキルを持った個人にフォーカスされる時代がくるというか。
各方面で人材の在り方を考える機会も増え、ジョブ型とかメンバーシップ型とかもいろいろ言われていますね。
たとえばバックエンドとかそういうざっくりした分野に対して、深い専門性を持って最適解を常に出せる人みたいなこと?
そうですね。
設計だけが出来るのはダメで、特定の専門分野一つを全て網羅できることが◎ですね。それがエンジニアとしての価値を高めることにつながると思います。
※【ジョブ型雇用】と【メンバーシップ型雇用】についてを以下で簡単に解説しています。
大まかに『仕事に人をつける』か『人に仕事をつけるか』の違いがあります。
ジョブ型雇用の大きな特徴として、職務の内容を書面(ジョブディスクリプション)にて明記し、その内容に基づいて必要な人材を採用・契約するということがあります。
したがって、応募段階でジョブディスクリプションに書かれていることが実行できることが採用条件です。これが仕事に人をつけるということです。
一方のメンバーシップ型雇用は、何かしら会社の仕事を与えてそれによって人材の成長を促し、会社とともに歩んでいくタイプの人材採用なので、必ずしも応募段階で期待する仕事ができる必要はありません。なので、人に仕事をつけていくということになります。
身近で考えるのであれば、パート・アルバイトはほぼジョブ型、正社員はメンバーシップ型といってよいです。もちろんすべてとは言えませんが、総合職というネーミングはメンバーシップ型雇用の意訳と言っても過言ではありません。
つまり、業務範囲がわかっているのがジョブ型、範囲が曖昧なのがメンバーシップ型です。
※各雇用型の解説はここまでです。以下本編再開です。
設計できるだけでもダメならプログラマーだけでもダメですね。コミュニケーションが取れてプログラミングもできて。なんでもできる人ですね(笑)
個人が売り込んでいく世界になりそうな気がしますね。
そうなると、組織とか企業という考えが薄くなっていきそうですね。
確かに、個人がフォーカスされる時代ではあるよね。SNSで個人がバズるとかもそうで。
芸能でも無所属の人とか出てきたり、力があればYoutubeで個人で稼げますし。
どこに住んでも仕事できるなら地方とかに住む人増えたりもありそうですね。そしたら、物価も変わってきそう。
週一出社なら実家から通ったほうが安いし良いかも(笑)
ありえますね
そういう点も含め、企業というもののあり方を考えるのであれば、 出社して「8時間働いてお給料もらってます」みたいなのが普通だった時代から、成果をどれだけ出せるかみたいなところが問われるというか。
うちの人事制度も変わりますが、世の中どんどん変わっていくんじゃないですかね。
年功序列や今ある仕組みの中だけでは生き残れなくなっていくってこと?
「○○ができるから××のお金で雇って」みたいな成果主義の話じゃないですけど、個人の価値でお金稼いでくるみたいな話ですね。 逆に出来なかったら誰も雇ってくれないみたいな。
システムエンジニアっていう枠じゃなくて、「仕事」がそうなるってことですよね。
まぁエンジニア「も」って感じですね。 プログラム言語が使えるとかそういう話じゃなくて、例えば IT×業界のクロステックが主流になってくるだろうから、「そのサービスだったら、AWSのこれで十分です」とか そういうレベル感を持ってないと今後仕事なくなるのかなって思います。
IT(技術)と業界をつなぐ『HUB(ハブ)型人材』になれるスキルが大事といいますか。
私が今従事しているアッテヤ(https://atteyaa.jp/)でのことですが、仕事を依頼する時に 「このサービスのこの設定で」とか細かいお願いしないんですよね。 例えばAWSやってくれる人に、「これやりたいです」って言ったら 「ではこれでいいですよね」って返ってくるんですよ。
細かい仕様の確認みたいな、通常我々の現場でやるようなものがないんですね。
実現したい像があって、例えばAWSだったらAWSの設定とか機能を使って、実現してきてくれるみたいな。常に最適解が出せるようなイメージでしたね。
なるほど。最適解って言うは易しですが、すごい時代が来ていますね。ありがとうございました!
■座談会を経て思ったこと
まず言えるのは、総じて『ジョブ型』の雇用形態に遅かれ早かれ近づいていくだろうということです。日本は特に、これまでずっと『メンバーシップ型』の雇用形態を採用してきています。
このジョブ型が進んでいくのは、何もコロナでリモートワークが取り沙汰されているからではありません。
少子高齢化、生産年齢人口の減少といった社会情勢が複雑に絡んでくるからだと考えています。
仕事がますます複雑化していく中で、自社のリソースだけではいずれ限界がくるので、人材をどこから確保していくのかが企業存続の課題になってきます。
そもそも人口は減少していくので、社会全体の労働力は下がります。それでも仕事は減りません。
効率を上げ、時には『RPA(≒デジタルレイバー)』といったものも使いつつこなして労働力を補填していくのだとは思いますが、いずれにしても自社人材の他に労働力を求める動きが出てきます。業務のうち、「もうこれだけは外部委託でいい」と割り切ってでもそれができる人(労働力)を探すことになります。
そう思うと、国が週休3日制にしようとしているのも副業自由化に向けた動きが加速しつつあるのもすべてつながっているように思えてきます。
働く日数が給与算出の基準になっているところが大半ですから、週休3日制になると1社から受け取れる給与の絶対値が減るので、生活水準を保とうとするとその分を何かで稼ぐ(補填する)ことが必要になってきます。
ここで大事なのが仕事に人をつける考え方です。
人がいなくて困っている → 仕事はすでにそこにある → 副業でもいいから人を採用したい!という企業側のニーズが増えてきます。
その状況に対して、「もう少し主業務と別のことをしたい」だったり、「小銭を稼ぎたい」、「今の仕事では趣味は活かせないが、活かせる仕事が他にあるならスキマでやってみたい!」といった働ける世代のニーズがハマるケースがますます増えると思います。
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)という言葉もよく耳にしますが、自社では手一杯、または別のことにリソースを割きたいからこそお金を支払って委託したいことも往々にしてあるわけです。
なので、個人の副業を含め、いわゆる『業務委託が加速する社会』になると考えています。つまり、その仕事にきちっと結果を出す、やりきる力が組織はもちろん、個人にもこれまで以上にうんと求められることになっていくだろうということです。
任せられたことを最適化する力によって、個人でも仕事を勝ち取り、成果として報酬を受け取る。
その結果所得が上昇するような、『一社に依存しないことがメジャーになる』そんな社会がくるのではないかなと思えてきます。
話を戻すと、ジョブ型を意識した働き方は、個人法人問わず、業務委託が増える(かもしれない)社会に置いては仕事の成果をきちっと評価できる基準ともなるので、今後ますます大切になっていくと思います。
また、自分たちの仕事の無駄を省く、整理する意味でも一度職務内容を書き起こして、見つめ直すことによって、世の中の仕事がどんどん明確化されるのは社会全体としていい方向に向かうのではないかと個人的に思う筆者でした。
■おわりに
今後、弊社を含めたエンジニアたちはどういう未来を辿るのか、IT問わず生き残るのはどういった人材なのか、社会全体がどうなるのかなど、個人的な思いも募らせながら楽しめた会でした。
実際、技術の話や社会の流れに目を光らせ、これから来るであろう時代を予測して臨むことは備えとして各自がやっておくべき大切なことでしょう。
今はIT技術を様々な業界と掛け合わせるクロステックが流行しています。 専門性を高め、技術を磨き、HUB型人材(技術と業界の架け橋)となることが、時代を生き抜くうえで求められることかもしれません。
引き続き、こういった会を時々設けながら意識を高めあっていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。